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咳喘息

咳喘息について

咳喘息咳喘息は、原因としては喘息と同様に気道の慢性炎症によって生じています。咳喘息は一般的に喘息の亜型または前段階と考えられており、喘鳴や呼吸困難などの症状はなく、咳だけが長期間にわたって続くことが特徴です。季節の変わり目や風邪をひいた後などに咳だけが残存して気がつくことが多い病気です。
症状は、就寝前〜明け方にかけて悪化しやすく、会話、寒暖差、タバコの煙などが刺激となって咳が出やすい傾向があります。
咳喘息が、臨床的に重要な点は、喘息へ移行してしまうことです。成人の場合、咳喘息患者の約30%が喘息に移行するとする報告もみられます。吸入ステロイド薬がその移行率を低下させるとされています。

このような症状はありませんか

  • 咳が慢性的に(数週間程度)続いているが喘鳴はない
  • 風邪をひいていないが、咳が続いている
  • 胸部レントゲン検査で異常がないと言われた
  • 市販の咳止め薬の効果がない
  • 就寝前から明け方に咳が出る
  • 夜になると咳が止まらない
  • 寒暖差があると咳が出る など

咳喘息の診断

日本呼吸器学会のガイドラインによる咳喘息の診断基準は以下の通りです。

  1. 喘鳴を伴わない咳嗽が8週間以上※続いている
    聴診上も喘鳴を認めない
  2. 気管支拡張薬が有効

(※3〜8週間の遷延性咳嗽であっても診断できるが、3週間未満の急性咳嗽では原則として確定診断しない)

上記両方を満たす場合に、咳喘息と診断されます。実際の患者様は咳症状が2~3週間程度続くと辛く感じるかと思いますので、当院では、8週間を待たずに積極的に治療を行っております。
また、肺がんや肺炎などの他の疾患が原因でないかを確かめるために、胸部レントゲン検査、呼気一酸化窒素(NO)検査などを必要に応じて行っております。

咳喘息の治療

気管支拡張薬により咳がおさまるのが特徴的所見で、吸入薬(吸入ステロイド薬+気管支拡張薬)を用いて気道の炎症を和らげ、気管支の正常な働きを促す治療が行われます。ただし、薬剤治療だけでなく、咳喘息の原因となるアレルゲンを特定し、できるだけ避けることも重要です。喫煙なら禁煙、花粉ならマスクの着用など、患者さまに合わせた治療法を提案しています。