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股・股関節の痛み(右だけ、左だけ)

股の症状

  • 椅子に深く腰かけられない、
    股関節をしっかり伸ばすことができない
  • 足の爪切りが難しい、股関節が曲がりにくい、
    靴下を履くのが大変
  • 左右どちらかの股関節のみ痛む
  • 1歩踏み出すごとに股関節に痛みが出る
  • 股関節の脱力感がある
  • 歩けないほど股関節に痛みがある など

股の痛みの原因となる主な疾患

変形性股関節症

股関節骨盤と大腿骨の間にある軟骨がすり減り、関節が変形していく疾患です。関節の変形は年を重ねることで引き起こされますが、原因がはっきりしない一次性と、骨折などの外傷や発育性股関節形成不全(臼蓋形成不全・先天性股関節脱臼)に続いて発症する二次性に分類できます。

主な症状

初期には動き出した際の痛み、立ち上がる時や歩く時、歩いた後の足のだるさが生じますが、進行すると夜間寝ている間や安静時にも痛みが現れてきます。また、足の爪の切りにくさ、靴下の履きにくさを感じます。
さらに関節の変形が生じると足が短くなります。左右どちらか(片脚)のみが短縮した場合は脚長差が出現するため、跛行(異常歩行)が生じます。

発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼・臼蓋形成不全)

発育性股関節形成不全とは、形成異常や股関節の緩さなどの生まれつき異常を持つ赤ちゃんに、抱っこやおむつなどの外的要因の影響が重なることで、股関節脱臼が誘発される疾患です。
検診などで発見できる場合もあり、初期であれば抱っこやおむつの方法を見直すことで自然と改善する場合もあります。患者様の状態によっては装具療法を行うこともあります。

主な症状

足の長さが異なる、股が上手く開けない(開排制限)など

大腿骨近位部骨折

大腿骨近位部骨折とは、高齢者が転んだ時に生じることの多い骨折で、大腿骨の股関節付近の部位が折れた状態です。骨粗鬆症を元々患っている方に見られ、少しの外力が加わっただけで生じます。早めに手術を行うことが必要です。

主な症状

骨折の容態次第で立ったり歩いたりできる方もいらっしゃいますが、通常は激しい痛みがあるため立つことすらできません。可能な限り早急に受診しましょう。

特発性大腿骨頭壊死症

大腿骨頭の血流が悪くなることで、骨の壊死が生じる疾患です。原因不明の特発性大腿骨頭壊死症の場合は、アルコールの過剰摂取やステロイド薬の使用などがリスク要因となっているケースもあります。
どの程度進行しているのかによって、治療手段は変わります。激しい痛みが伴う場合や骨頭の圧潰が進んでいる際には手術が検討されますが、初期の段階で壊死部位がまだ小さい場合では保存療法を選択することもあります。

主な症状

骨の壊死が起こっただけの場合は痛みを感じません。しかし、壊死した骨頭が潰れることで痛みが現れます。緩やかに進行するケースもありますが、急激に股関節痛や跛行が出現するケースが多いです。
また、骨が壊死していても、範囲が狭いなどの理由から痛みが発生しない場合もあります。

単純性股関節炎

はっきりとした要因は分かっていませんが、子どもに多い病気です。歩行を控え、7〜10日程度安静に過ごすことで自然治癒する場合がほとんどです。

主な症状

股関節内側から膝にかけての痛み、急激な股関節痛、股関節の痛みによる歩行困難などが起こります。また、発熱症状が見られるケースもあります。

鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)

運動時、走る・蹴るなどの動作を過剰に行うことで、鼠径部に痛みが生じます。鼠径部とは、太腿の付け根部分のことです。
サッカー選手に特に多く見られ、動かなければ痛みが軽快しますが、再び痛み出す場合も多いです。リハビリなどを行い、再発防止を目的とした治療を進めることが必要です。

主な症状

早期では鼠径部から下腹部にかけて主に運動時に痛みを生じます。特に、走る・ボールを蹴る際に発生します。進行すると普段の生活で歩くだけでも鼠径部付近に痛みが生じるようになります。

股関節の痛みの治療について

股関節痛を放置すると、悪化し回復までの時間が長くなってしまう可能性があります。そのため、股関節の痛みや違和感がある際には、増悪する前に整形外科を受診するようにしましょう。痛みは、左右どちらか (片側)のみに出現する場合もあります。
当院の整形外科では、違和感や痛みが一時的なものか、慢性的なものかを診察や検査により診断し、その結果に基づいた治療を提案しております。
痛みが強い場合や慢性化している場合は、初めに痛みを軽減する治療を行います。痛みが軽快した後は、その痛みを引き起こしている動作などを改善するため、理学療法士とともにリハビリを行っていきます。