ファミリー歯科としての取り組み

私たちが勤務する診療室は、埼玉県と千葉県の県境に位置する葛飾区にあります。葛飾区は「男はつらいよ」や「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の舞台でおなじみの、下町の人情味が残っている地域です。荒川・中川・江戸川に囲まれていて、大手企業の参入や高層マンションの建設は少なく、2世帯・3世帯が寄り添って生活している大家族の形態が多くみられます。
そのため、診療形態は小児歯科が中心ですが、ファミリー歯科として、家族全員のお口の悩みを一緒に解決していく、地域密着型の歯科医院として取り組んでいます。

遊びのなかから生まれる信頼

患者さんの多くは家族連れで訪れます。母親が小さな子どもを連れて来院されたときは、母親のお腹の上に子どもを乗せて診療するスタイルが基本ですが(図1)、お腹の上でも大泣きしたり飽きて動く子どもの場合は、スタッフが一緒に遊びながら、診療が終わるのを待ちます。
また、子どもたちが診療室や診療に慣れるために、遊びのなかから楽しみを体で感じてもらう工夫をします。
年齢によっても工夫の仕方に違いがありますが、言葉がわかりコミュニケーションが取れれば、会話が弾む内容を選びます。また、当院では折り紙・風船・スタンプなどを利用して子どもたちに楽しんでもらっています(図2)。

アットホームな雰囲気作り

特に3歳前の子どもたちは、周りの雰囲気に敏感です(図3)。母親が緊張していると、それだけで手がつけられない状態になります。
母親とのコミュニケーションは、予約の電話を受けるときから始まっています。初めて予約の電話をするときは、誰でも不安なものです。
受付担当者は、相手の事情をしっかりと受容し、話を聞いてあげることが大切です。
そして、初めて来院したときも、母親は子どもがどう振る舞うのか不安で一杯です。
そうした気持ちを和らげるために、受付スタッフはまず保護者と目を合わせ挨拶し、「よく頑張って来院されましたね」と歓迎します。
そのとき、まなざしや声のトーンにも気を配りましょう。診療室に案内するときも、診療台に乗せるときも、子どもが安心できるようなアットホームな雰囲気づくりを心がけます(図4)。

まるごと家族とのお付き合い

子どもたちを取り巻く環境が複雑化してきているので、子育てを難しいと感じている家族も多くなりました。
そんな家族にとって、家族の一員のように一緒に悩みを聞いてくれて、励ましてくれる歯科医院がそばにあると、心強いと思います。
当院では、患者さんの兄弟姉妹、父母、祖父母、親戚などの家族構成、家族の体調、食べ物の好き嫌いなどの家庭環境、更にどこの保育園、幼稚園、小学校に通っている等の社会的環境も把握して、まるごと家族とのお付き合いをしていけるように対応しています。子どもたちや母親に頭ごなしに教えるのではなく、相手が必要としている情報を相手のなかから引き出し、自発的な気づきを促すことが、家族ぐるみのオーラルヘルスケア習慣となり、セルフケア意識を長期に持続させる行動に繫がると思われます(図5)。

チーム医療

小児歯科では、患児と保護者と歯科医の三者が良好な関係を築くことが重要ですが、それにはスタッフの協力が必要です。
歯科医を中心とした強いチーム診療によって、診療の質の向上・充実、危険回避を実現することができます(図6)。

継続は力なり

歯科医院での取り組みの重要点に、スタッフの継続勤務へのサポートがあります。多くの開業医はスタッフの数が少なく、お休みの融通などが難しい環境にあると思いますが、スタッフ同士でカバーし合い、思いやりや助け合いを大切にすることが、チーム診療の向上に繫がります。歯科衛生士としての自覚をもち、仕事を継続していくことは、大きな力となります。
女性には、結婚・出産・育児など、さまざまなライフイベントがあり、仕事を続けることが難しいと感じる時期があります。それでも、結婚したらすぐに歯科衛生士を辞めてしまうのではなく、一時的に休んでも仕事に復帰する道は必ずありますので、歯科衛生士を続けられるように模索してほしいと思います。女性ならではの柔軟性を発揮してライフ・ワーク・バランスをとることは、相乗効果を生み出してくれます。例えば、出産・育児の経験は、小児歯科を行ううえで大きなプラスになるはずです。

診療科目・診療時間
アクセス
〒125-0062 東京都葛飾区青戸6-4-23 1F 《京成線青砥駅徒歩5分》
髙野歯科クリニックドクター紹介
理事長  髙野 博子

 <経歴>
  昭和49年 桜蔭学園高等学校 卒業
  昭和55年 東京歯科大学 卒業 同小児歯科学講座大学院入学
  昭和59年 小児歯科学講座 助手
  昭和61年 小児歯科学講座 講師
  昭和62年 歯科髙野医院 開業
  平成7年  医療法人社団髙慈会 髙野歯科クリニックを葛飾区青戸に開業
  平成29年 医療法人社団髙慈会 団子坂くつろぎクリニックを文京区千駄木に開業

 <その他職歴>
  ◆一般社団法人日本小児歯科学会
   常務理事(平成21年~)、副理事長(平成24年~26年)
  ◆日本小児歯科学会 関東地方会会長(平成24年~28年)
  ◆東京歯科大学同窓会 常務理事
  ◆東京歯科大学小児歯科学講座 非常勤講師
  ◆日本小児歯科学会 専門指導医
  ◆日本小児歯科学会女医の会 理事
  ◆東京都女性歯科医師の会設立 理事・事務局
  ◆全国小児歯科開業医会「小児歯科臨床」編集委員
  ◆葛飾区歯科医師会
   葛飾区歯科医師会公衆衛生副委員長 外部委員
   葛飾区食育推進ネットワーク委員

 <表彰関係>
  平成20年 区長賞
  平成29年 公益社団法人母子保健推進会議会長賞